当院では、心身の不調を考えるうえで、姿勢や筋肉の状態だけでなく、生活習慣や腸内環境との関係にも注目しています。

その中で近年、研究が進んでいるものの一つが「ロイテリ菌」です。

このページでは、ロイテリ菌について現在報告されている研究内容をもとに、体との関わりをわかりやすく紹介します。

なお、本ページは研究報告をもとにした一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の症状の改善や効果を保証するものではありません。

■ロイテリ菌とは

ロイテリ菌は、正式には Limosilactobacillus reuteri と呼ばれる乳酸菌の一種です。

人の腸内や口腔内などに存在することが知られており、腸内環境や免疫、炎症反応との関係について研究が進められています。

近年では、腸内細菌が腸だけでなく、免疫、皮膚、睡眠、ストレス、自律神経の働きにも関係する可能性が注目されています。

その背景にある考え方の一つが「腸脳相関」です。

■腸脳相関とは

腸脳相関とは、腸と脳が互いに影響し合う仕組みのことです。

腸は単に食べ物を消化・吸収するだけでなく、神経、ホルモン、免疫、腸内細菌を通じて、脳や自律神経とも関係していると考えられています。

たとえば、強いストレスを感じたときにお腹の調子が悪くなったり、睡眠不足が続くと胃腸の働きが乱れたりすることがあります。

このように、心と体、腸と脳は別々ではなく、互いに影響し合っている可能性があります。

■ロイテリ菌に関する研究で注目されている分野

ロイテリ菌については、以下のような分野との関連が研究されています。

・腸内環境
・免疫バランス
・アトピー性皮膚炎
・アレルギー性鼻炎、花粉症
・睡眠の質
・ストレス、不安感、気分の落ち込み
・腸脳相関
・自律神経との関係

ただし、これらの研究には、動物実験や細胞実験の段階のものも含まれています。

そのため、「ロイテリ菌を摂れば症状が良くなる」と単純に考えるのではなく、腸内環境と体全体の関係を理解するための参考情報として見ることが大切です。

■当院が腸内環境に注目する理由

自律神経の乱れによる不調は、姿勢や筋肉の緊張だけでなく、睡眠、食事、ストレス、胃腸の状態など、さまざまな要因が関係していることがあります。

そのため当院では、体の外側からの施術だけでなく、生活習慣や栄養バランス、腸内環境といった内側からの視点も大切にしています。

特に、慢性的な不調が続いている方の場合、

・睡眠の質が低下している
・ストレスが抜けにくい
・胃腸の調子が不安定
・疲れが取れにくい
・季節の変わり目に不調が出やすい

といった背景が重なっていることもあります。

ロイテリ菌に関する研究は、こうした体全体のつながりを考えるうえで、一つの参考になる分野です。

■関連する詳しい解説ページ

ロイテリ菌とアトピー性皮膚炎の関係
腸内環境と免疫、皮膚の炎症反応との関係について、研究報告をもとに解説しています。

ロイテリ菌とアレルギー性鼻炎・花粉症の関係
腸内細菌叢、免疫バランス、アレルギー性鼻炎との関係について紹介しています。

ロイテリ菌と睡眠の関係
腸脳相関、GABA、睡眠の質との関係について、現在報告されている研究をもとに解説しています。

ロイテリ菌とストレス・不安感の関係
腸内環境と脳機能、ストレス、不安感、気分の落ち込みとの関係について紹介しています。

■注意事項

本ページは、ロイテリ菌に関する研究報告をもとに、腸内環境と体の関係を一般向けに解説したものです。

特定の食品、サプリメント、菌株の摂取を推奨するものではありません。

また、特定の症状や病気の診断、治療、改善を目的としたものでもありません。

症状が強い場合や長期間続く場合は、医療機関にご相談ください。

■参考文献

  1. Mu Q, Tavella VJ, Luo XM. Role of Lactobacillus reuteri in Human Health and Diseases. Frontiers in Microbiology. 2018;9:757.
    doi:10.3389/fmicb.2018.00757
    PMID: 29725324
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29725324/
  2. Jiang Y, et al. Lactobacillus reuteri E9 Regulates Sleep Disorders Through Its Metabolite GABA. Frontiers in Bioscience Landmark Edition. 2025;30(6):39587.
    doi:10.31083/FBL39587
    PMID: 40613302
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40613302/
  3. Yang M, et al. The Microbiota-Gut-Brain Axis in Insomnia: Mechanisms and Intervention Strategies. Life. 2026;16(4):583.
    doi:10.3390/life16040583
    PMID: 42073392
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/42073392/