当院では、心身の不調を考えるうえで、姿勢や筋肉の状態だけでなく、生活習慣や腸内環境との関係にも注目しています。

その中で近年、研究が進んでいるものの一つが「ロイテリ菌」です。

このページでは、ロイテリ菌と睡眠の関係について、腸脳相関やGABAに関する研究報告をもとにわかりやすく紹介します。

なお、本ページは研究段階の知見を紹介するものであり、特定の症状の改善や効果を保証するものではありません。

■睡眠と腸内環境の関係

睡眠の質は、生活習慣やストレスだけでなく、腸内環境とも関係している可能性が近年注目されています。

腸と脳は、神経、ホルモン、免疫、腸内細菌を通じて互いに影響し合っていると考えられています。

この仕組みは「腸脳相関」と呼ばれています。

睡眠不足が続くと胃腸の調子が乱れたり、ストレスでお腹の不調が出たりすることがあります。

反対に、腸内環境の乱れが自律神経や睡眠リズムに関係する可能性も研究されています。

■ロイテリ菌と睡眠に関する研究

2025年の研究では、ロイテリ菌 E9 株が、GABA、タウリン、グリシン、セリンなどの抑制性神経伝達物質に影響し、睡眠に関わる受容体の発現にも関与する可能性が報告されています。

GABAは、リラックスや鎮静に関わる神経伝達物質として知られています。

また、別の研究では、ロイテリ菌 PBS072 とビフィズス菌 BB077 を含むプロバイオティクス複合体について、ストレスを感じている学生を対象に、ストレス関連指標や睡眠の質との関係が検討されています。

ただし、これらはロイテリ菌単体の効果を断定するものではなく、菌株や研究条件によって結果が異なる可能性があります。

■GABAと自律神経

GABAは、脳や神経の興奮を抑える方向に働く神経伝達物質として知られています。

睡眠の質やリラックス状態と関係する可能性があるため、近年ではGABAと腸内細菌の関係も研究されています。

自律神経は、活動モードに関わる交感神経と、休息モードに関わる副交感神経のバランスによって成り立っています。

睡眠の質が低下している方は、日中の緊張が抜けにくかったり、夜になっても体が休息モードに入りにくかったりすることがあります。

そのため、睡眠を考える際には、寝具や就寝時間だけでなく、腸内環境、食事、ストレス、自律神経の状態も含めて考えることが大切です。

■当院の考え方

当院では、睡眠の質に対して、

・腸内環境
・自律神経
・生活習慣
・栄養バランス
・日中の緊張状態

といった多角的な視点からサポートを行っています。

眠れない、寝ても疲れが取れない、夜中に目が覚める、朝から体が重いといった不調は、単に睡眠時間だけの問題ではなく、体全体のバランスが関係していることがあります。

当院では、体の緊張を整える施術に加えて、日常生活や栄養面のアドバイスも行い、回復しやすい体づくりを大切にしています。

■注意事項

本ページは、ロイテリ菌と睡眠に関する研究報告を一般向けに紹介したものです。

不眠症などの診断や治療を目的としたものではありません。

睡眠の不調が長く続く場合や、日常生活に支障がある場合は、医療機関にご相談ください。

■関連ページ

ロイテリ菌とは?腸内環境・免疫・自律神経との関係
ロイテリ菌とストレス・不安感の関係
ロイテリ菌とアレルギー性鼻炎・花粉症の関係

■参考文献

  1. Jiang Y, et al. Lactobacillus reuteri E9 Regulates Sleep Disorders Through Its Metabolite GABA. Frontiers in Bioscience Landmark Edition. 2025;30(6):39587.
    doi:10.31083/FBL39587
    PMID: 40613302
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40613302/
  2. Nobile V, et al. The Effect of a Probiotic Complex on the Gut-Brain Axis: A Translational Study. Neuropsychobiology. 2022;81(2):116-126.
    doi:10.1159/000518385
    PMID: 34515196
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34515196/
  3. Yang M, et al. The Microbiota-Gut-Brain Axis in Insomnia: Mechanisms and Intervention Strategies. Life. 2026;16(4):583.
    doi:10.3390/life16040583
    PMID: 42073392
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/42073392/